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友人Kと白衣の男 

長~い連続労働からやっと解放されました、嶋田です。
当ブログは資産運用に関するブログに始まりましたが、今後より多面的な情報サイトとしても運営していきたく思います。とはいえ当然、メインは拙い資産運用・投資ネタですけど。

まず医療。これは日常生活とは切っても切れないジャンル。
近年、医療機関への不信、医師への信頼感の喪失、医療経済不安など医療を取り巻く環境も大きく転換期にきているように思います。
医療に携わる者として、日常業務以外に何かできることはないか?日々考えております。

医師によるゆる~いホンネの医療ネタ』というブログを適当に運営しています。ここから定期的(月1回くらい)に内容を引用、あるいは当ブログ用に新たに書き下ろした記事をより多くの方に目にしていただき、多くの方からコメントをいただけたらと存じます。よろしくお願いいたします。

一部、不適切な内容・言葉もあるかもしれませんが、ご容赦あるいはその都度ご指導いただけたらと思います。


友人Kと白衣の男

医者は自分の金にはケチ臭いが、他人のお金でする医療に関して鈍感です。っていうか興味がない。実際、自分がオーダーした検査がいくらするのか知らない。
この業界は特殊すぎますよ、ホント。
お金をかければ良い医療が受けられるというのは完全なウソ。さらに悪い医療ですらある。
医者は人間。能力に差がある。しかもかなり大きなボラティリティ(標準偏差)がそこには存在する。
偏差値25の医者と偏差値75の医者をどう判断するか。
患者サイドからすればこの情報は喉から手が出るほど欲しい。
っで、意味不明な『名医○○選』みたいな書籍がベストセラーになる。
まさにここが変だよ、日本人の世界です。無知とは恐ろしい程の先入観と妄想を抱かせます。テレビに著書に引っ張りダコの医者は、その分勉強していないかもしれませんよー。

話がそれたが、それがBLOG。あえて戻す気もしませんが、とりあえず最初くらいは戻しますか?やめるか?やっぱ戻しますか?

医療費について、お腹が痛くて救急外来受診した人いますか?いくら取られました?
その医療に満足しましたか?
多くの人がしていないと思います。
答えは簡単。医者は医療を医学と勘違いしているからでーす。
どういうこと??

基本的に医学は科学であるが医療は科学ではない、と僕は思います。
医学は純粋な学問として長く発展してきた科学である。医療はそれに対してかなり幅がある。つまり、医療はサービスでありCS(Customer satisfaction; 顧客満足度)を反映するものでなければならない。そのバックグラウンドに医学という科学が存在するわけ。
そこが多くの医者は分かってない、あるいは興味がないから無視してる。

だから患者サイドは不満を感じるわけですね。医者の態度にもムカつくわけですよ。
『この若造がデカイ態度取りやがって!』と多くの患者が思ってる。
しかも診断は曖昧。これじゃ切れますよ、普通。
でもたまにしか見ませんね、そんな医者が切れられてるシーンは。

日本人の我慢の美学!分からないものは任せよう精神!変なこと言ってヤバイ薬打たれたら嫌だと臆病者!

これじゃ医者は図にノリます。ノリきってます、完全に。
やれやれ、政策としての医療経済も破綻寸前ですが、医者自身が社会的能力も破綻寸前ですよ。
ちなみに医者は臆病者なのでヤバイ薬は打てません。

あー、まだまだ言い足りない。

例えば外来診療。
老人医療と小児医療は少し医療経済が異なるのでとりあえず無視します。
老人や小児がこのブログを見ている風景が想像できないので。

夜中に突然、お腹(ミゾオチのあたり)が痛くなって冷や汗が出た。
かなり我慢したが症状は続き『ヤバイ』と思って救急外来を受診した、僕の友人Kの話。
市中病院で受付を済ませ、座って待っている。かなり痛い、波があるんだよ、痛みに!
なかなか呼ばれない。たまらず横になる。他にも患者らしき人がチラホラ。時計はAM1:30。
40分後に『Kさん、2番診察室にお入りください』とナース。

2番診察室に入ると、いかにも眠そうな若い白衣を着てる男がいる。
『どうしました?』と白衣の男。
『3時間前からの腹痛で、3回程吐きました。今も痛いです』と丁寧語のK。
『もともと病気は?胃炎とか言われてます?』吐き捨てるように白衣の男が言う。
『いえ、病気は言われていません。小さいときに小児喘息とだけ・・・』
『・・・』白衣の男はパソコンに向かって無言で病歴を打ち込んでいる。電子カルテの弊害だね、こりゃ。
『ちょっと診察するから、横になって!』こっちを見ないで、また吐き捨てた。
さすがにKはイラついてきた。でも痛いので従う。
お腹を聴診器でなでられ、手で腹を押されミゾオチのあたりで『ウッ、そこが痛いです』
『あぁ、急性胃腸炎だね、まあ念のためレントゲンと血液検査はとっておこうか』と白衣の男がナースをちらっと見る。
ナースは『はい』と無愛想な返答。ナースに案内されレントゲン、その後血を採られた。
『では結果が出るまで、先ほどのところでお休みになっていてくださいね』とニコッとされるが痛く愛想も出せない。

さらに50分が経過し、時計はAM3:10。
呼ばれたらしく白衣の男が、あくびをしながら診察室に入るのが見えた。
さらにその7分後『Kさん、どうぞ』と。
『レントゲンは異常なし、血液検査で白血球は若干上がっているけど、胃腸炎のせいでしょう。薬を出しおきますから。』
これで終わり。なんとなく釈然としない。急性胃腸炎って何だ?
会計で呼ばれ金額は○○円。釈然としないだけでなくイラついてきた。
『・・・今日の給料分じゃん・・・。』
時計の針はAM3:50を指している。
明細にはよく分からないことばかり書いていたが、どうすることもできない。
支払いを済ませ薬を受け取って帰宅。痛み止めで症状はちょっと軽快した。
明細の内容は?

保険診療である以上、決まりきった診療点数が加算される。
保険点数は1点が10円の換算だ。
まず初診料。これがやたら高い。老人と小児はさらに高めだが、それ以外の人は施設の大きさに関わらず、270点(2700円)、時間外なら+85点、さらに休日なら+250点。驚くべきことに深夜(22:00-6:00)は料金加算が+480点となる。つまり友人Kはこの時点で750点(7500円)の支出!
命には代えられないと思うかもしれないが、かなり高い。

次にレントゲン。今回は腹部単純撮影を1方向のみ撮影したので、撮影料65点+写真診断料85点で150点(1500円)、これにフィルム代13点(施設により異なる)、時間外緊急院内画像診断加算が110点。しめて273点(2730円)。
あーあ。この時点で10000円を超えた。

今度は血液検査。白衣の男は医療費のことなんか知らないので、血液検査フル・オーダー。
レストランで『このメニューに載ってるの、全部ちょうだい!』みたいな。
血算(赤血球・白血球・血小板など)は23点、生化学血液検査(肝機能・腎機能などいろいろ)は10項目以上で包括(それ以上のコストは取れない)されることになっているので130点、しかしCRP(血液中の炎症反応蛋白)は包括外で17点。
さらに、それぞれ判断料が加算される。
血算には135点、CRPには免疫判断料として144点、生化学には155点と、しめて604点(6040円)。
ひょえー。

さらに投薬。
今回の外来院内処方では投薬料=調剤料+処方料+薬剤料+調剤技術基本料。
具体的には友人Kはラックビー™(整腸剤)、セルベックス™(胃粘膜保護剤)、ホスミシン™(抗生剤)をそれぞれ2日分処方された。さらに腹痛時のときに飲むようにとブスコパン™(抗コリン剤)を3回分。
調剤料は1処方につき9点、処方料は1処方につき42点、薬剤料はラックビーが1包6.4点、セルベックス1カプセル15.5点、ホスミシン1錠78.7点、でそれぞれ毎食後なので2日分は6回分であり、しめて603.6点。ブスコパンは1錠8.3点で3回分だから24.9点。 合計628.5点=6285円。
ヤバーイ。

今回の腹痛で友人Kが支払った金額はチャリーン。
いくらでしょう?

友人Kのお支払いは『6767円』也。
ほとんど1日の給料分じゃん、ってボヤくわけだよ。

しかもこれは、3割負担額であって7割は税金ですよー。これもやばくない?
税金は?
チャリーン。
『15788円』也。
はい、医療経済破綻の一途というわけですね。

Kは翌日も腹痛が続いていた。
痛み止めなるものを飲むと一時的に症状は緩和されるが、またすぐに痛くなる。
何とか営業の仕事を終え、やるべき残業はあったが今日は帰ることにした。少し熱っぽくなっている。

腹痛でなかなか寝つけない。深夜、臍のあたりから右下腹部の激痛を訴え、嘔吐。さすがに痛くて仕方がないので、やむを得ず救急車を要請。同じ病院に搬送されたって。それで診断はモウチョー(急性虫垂炎)&急性腹膜炎で緊急オペ。
笑えますね。いや、笑えないか。

実は急性虫垂炎の初期症状はなかなか判断しにくいのも事実。
白衣の男は、眠かったのは分かるがもう少し真摯に友人Kに接し、『急性虫垂炎の初期症状の可能性もあります。腹痛がひどくなる、あるいは発熱を伴ってくるなら明日医療機関を受診ください』って言っておくべきだったね。
そうすれば、友人Kは今後一生つきまとう医療不信から解放されていたのに・・・。

さらに処方には抗生剤もかろうじて入っていたので、処方内容だけならそこそこ。でもブスコパンは微妙。

まあ、今回の「白衣の男」の医療は診察レベルと鑑別診断学レベル、医療経済に対する鈍感さにおいてかなり寂しいところはあり、さらにCS(Customer Satisfaction)なんか完全に無視。
しかし、これが結構一般的であるJAPAN。
それでもこれだけの個人負担額と税金がかかるんです。

反対に実際、外来をやっていて明日来ればいいのにって思う人はいっぱいいる。
そういう症状が軽くても来院する人は暇人か不安神経症、あるいは両方ってのが最悪。
友人Kのようにかなりの症状があれば来院してしかるべきだろう。
医療サイドにも問題は多々あるが、患者サイドにも多々問題がある。救急車をタクシー代わりに使ってみたり、自己負担率が1割の老人は比較的気楽に来院する(これは福祉という側面では仕方がない)。9割の税金のことなどもちろん全く考えない。
福祉国家にもなりきれていない我がJAPAN。個々がもう少し考えねば、お先まっくらよ。

あぁ、そうそう、ちなみにこの白衣の男は19時から翌朝7時まで勤務してサラリーは税込み保険点数換算で6000点。交通費も込みね。
救急車2台、外来7名のうち入院させたのは1名でした。その1名は薬物中毒って言えば聞こえはいいが、いわゆる自殺未遂の大量薬物内服。
やれやれ。

笑えるでしょ?あるいはムカつくでしょ?
急性虫垂炎を見逃してもこの給料!

でももっと儲かっているのは病院ですよー。

(終わり)
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[ 2006/11/14 23:18 ] 医療一般/医療経済 | TB(0) | CM(0)

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