基本的には医療界も他業種と違わず、需要と供給の関係に収束していくと思っています。先に述べた健診業務は報酬下落基調ですし、ニーズが多く需要が少ないと思われる産婦人科・小児科はフリーランス化することでかなりの高額契約ができるものと思われます。さらに代替不可の付加価値を得ることができたのなら(これは人間性や雇い主の思い込みも含まれる)、高額契約のチャンスかもしれません。
私見(そう、全て私見です)ではフリーランスのリスクが大きく見積もられすぎているように思います。イメージ先行というか。その分のリスクプレミアムが上乗せされた報酬ということになっているのでしょう。先行者プレミアムはおそらく既に某○chでいう先代の人々により得られていると思われます。これは現在のように斡旋業がいないリスクに対するリスクプレミアムととることもできるかもしれません。
さて、実際どのように勤務先ポートフォリオを組んでいくべきか。金融モダンポートフォリオ理論ではリスクを限定しその中で最大のリターンを得ようとします。フリーランス医師勤務先ポートフォリオにおいて、リスクの分散はできるだけ多くの勤務先に就いて、首切られリスクが発生しても損害を最小限にするという戦略かもしれません。
つまり多くの勤務は午前・午後・当直帯の3勤務帯にあり月から土の6日間と日曜日と分けることができます。3(勤務帯)X6(日)=18(勤務帯)、あと日曜日。このコマ数をどう配分(アロケーション)するのかということです。
①まず決めるのはどの位休みたいか。また当直をやるのかということです。
ここでは極々標準的な週40時間労働編としましょう。つまり月~金の午前・午後の10コマだけ勤務するということにします。週休2日、当直なし。僕を含めて多くの医師から見ると夢の生活です。
②次に決めることはどの業種を選んでいくのか。
専門をもっている方はできるだけ組み入れていくべきと考えます。リスクが相対的に少なく、リターンを大きくできる可能性があるからです。専門のない方は相対的にリスクの高い業種を選ぶことになります。
③ではコマ数をどうするか。
できるだけコマ切れの勤務形態の方が良いと思われます。そこにはリスクの分散とリターン効率化が働く可能性があります。勤務先は多い方が首切られ事件が発生したときに損害が少ない可能性が高く、ひとつの医療機関から得る報酬は少ない方が単価を高くする交渉がしやすいことが多いからです。
④保険をかけるべきか。
ここでいう保険は首切られ事件が発生したときにそれをすぐに補填できるシステムを導入するかという意味です。つまりは斡旋業者との付き合いになります。単純にはリスクの高いと思われる専門性のない方は保険をかけるべきではないかと思われます。
専門性があってもすべてのコマを専門外来にするのは骨が折れますし、ニーズがないかもしれませんので一部保険を組み入れるべきでしょう。
斡旋業者を利用するとマージンが発生し高額契約がしにくくなりますが、エージェントと仲良くすると良い案件を紹介してくれることもあります。つまりはマージンが保険料に相当するのでしょう。
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僕個人としては、もしフリーランスになるとすればこういう順序で決めていくと思います。金融ポートフォリオではアセットクラスを分散することはリスクを軽減するが相対的にリターンも収斂するものでありましたが、勤務先ポートフォリオではリスク事象発生時損害最小限化はもちろん、リターンも増加させるという「分散こそが王道」なわけです。ほんとかなぁ。。
ただし、勤務先をあまり多くすると移動に伴うロスが多くなり、総勤務時間減少によるリターン減少ということもありますので程ほどにすべきでしょう。
それにしても1コマ5000点として週10コマは50000点です。52週として250万点はいきます。。。しかも週休2日、当直なし。。ほんとかなぁ。
今後、もう少し深入りして考えていきたい分野ではあります。では。
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こんにちは。美容外科の医者をしています。
形成外科の専門医持っていて、
美容外科の手術はひととおり一人でこなします。
美容外科業界も乱立状態で、特にレーザー治療などは
ママさんドクターの小遣いかせぎになってしまって
報酬は下がっています。
私も勤務先分散してリスク軽減しております。
あたらしい勤務先との報酬交渉では、別の勤務先の日当明細を見せています。それ以上は必ずもらえています。
手術だけでなく、話術、度胸もないと勤まらないので、
誰でも参入できる科ではないなと思っています。
>> 美容師さん、はじめまして。
美容業界もさぞ厳しいことと存じます。ただ、技術系科目ですので腕に自信があれば臆することは何もないと思います。誰でもできる健診業などとはそもそも同じ土俵ではありません。
とは経営という観点からは医師人件費というのは問題で、技術があって人望があってもいかんともしがたい事が起こることも事実だろうと思います。そういう不可抗力に対するヘッジとしての分散は有効と考えます。
僕自身は武器無しでフリー化する事自体、無謀であると思っています。たとえ武器があってもそれを維持する努力を勤務医時代以上にできる人がフリー化するべきとも考えています。そんなに世の中甘くはありません。
>手術だけでなく、話術、度胸もないと勤まらないので
こういうことを言える方のみがフリー化すべきであると思います。昨今の安易なフリー化は修正を余儀なくされるでしょう。
あとはその人の人生観ということになります。今後ともよろしくお願いいたします。
いつも楽しく読ませていただいています。
嶋田忠信というのは、仮名として使われている名前ですか?
>> 学生さん、はじめまして。
当ブログなどをご愛読いただき誠にありがとうございます。
別に実名を出しても何も変わらないのですが、狭い医療界ですから何かと面倒も嫌なので仮名でやらせていただいております。
予めご了承ください。
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私のアルバイト・ポートフォリオ
私のアルバイトのポートフォリオですが、大きく分類すると下記のように二分されます。
?医局のDUTY
?個人的なアルバイト
前者は月曜から金...
[2008/03/31 12:42]
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アルバイト医師の日記