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フリーランス医師の勤務先ポートフォリオ(2)  

基本的には医療界も他業種と違わず、需要と供給の関係に収束していくと思っています。先に述べた健診業務は報酬下落基調ですし、ニーズが多く需要が少ないと思われる産婦人科・小児科はフリーランス化することでかなりの高額契約ができるものと思われます。さらに代替不可の付加価値を得ることができたのなら(これは人間性や雇い主の思い込みも含まれる)、高額契約のチャンスかもしれません。
私見(そう、全て私見です)ではフリーランスのリスクが大きく見積もられすぎているように思います。イメージ先行というか。その分のリスクプレミアムが上乗せされた報酬ということになっているのでしょう。先行者プレミアムはおそらく既に某○chでいう先代の人々により得られていると思われます。これは現在のように斡旋業がいないリスクに対するリスクプレミアムととることもできるかもしれません。

さて、実際どのように勤務先ポートフォリオを組んでいくべきか。金融モダンポートフォリオ理論ではリスクを限定しその中で最大のリターンを得ようとします。フリーランス医師勤務先ポートフォリオにおいて、リスクの分散はできるだけ多くの勤務先に就いて、首切られリスクが発生しても損害を最小限にするという戦略かもしれません。
つまり多くの勤務は午前・午後・当直帯の3勤務帯にあり月から土の6日間と日曜日と分けることができます。3(勤務帯)X6(日)=18(勤務帯)、あと日曜日。このコマ数をどう配分(アロケーション)するのかということです。

①まず決めるのはどの位休みたいか。また当直をやるのかということです。
ここでは極々標準的な週40時間労働編としましょう。つまり月~金の午前・午後の10コマだけ勤務するということにします。週休2日、当直なし。僕を含めて多くの医師から見ると夢の生活です。

②次に決めることはどの業種を選んでいくのか。
専門をもっている方はできるだけ組み入れていくべきと考えます。リスクが相対的に少なく、リターンを大きくできる可能性があるからです。専門のない方は相対的にリスクの高い業種を選ぶことになります。

③ではコマ数をどうするか。
できるだけコマ切れの勤務形態の方が良いと思われます。そこにはリスクの分散とリターン効率化が働く可能性があります。勤務先は多い方が首切られ事件が発生したときに損害が少ない可能性が高く、ひとつの医療機関から得る報酬は少ない方が単価を高くする交渉がしやすいことが多いからです。

④保険をかけるべきか。
ここでいう保険は首切られ事件が発生したときにそれをすぐに補填できるシステムを導入するかという意味です。つまりは斡旋業者との付き合いになります。単純にはリスクの高いと思われる専門性のない方は保険をかけるべきではないかと思われます。
専門性があってもすべてのコマを専門外来にするのは骨が折れますし、ニーズがないかもしれませんので一部保険を組み入れるべきでしょう。
斡旋業者を利用するとマージンが発生し高額契約がしにくくなりますが、エージェントと仲良くすると良い案件を紹介してくれることもあります。つまりはマージンが保険料に相当するのでしょう。

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僕個人としては、もしフリーランスになるとすればこういう順序で決めていくと思います。金融ポートフォリオではアセットクラスを分散することはリスクを軽減するが相対的にリターンも収斂するものでありましたが、勤務先ポートフォリオではリスク事象発生時損害最小限化はもちろん、リターンも増加させるという「分散こそが王道」なわけです。ほんとかなぁ。。
ただし、勤務先をあまり多くすると移動に伴うロスが多くなり、総勤務時間減少によるリターン減少ということもありますので程ほどにすべきでしょう。
それにしても1コマ5000点として週10コマは50000点です。52週として250万点はいきます。。。しかも週休2日、当直なし。。ほんとかなぁ。
今後、もう少し深入りして考えていきたい分野ではあります。では。

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フリーランス医師の勤務先ポートフォリオ(1) 

おはようございます、嶋田です。
テレビのニュースでは医師不足にまつわる特集がやたらと多くなってきました。なぜでしょう、キャスターやコメンテーターのコメントにイラッとします。。

フリーランス医師についても色々述べてきましたが、雲行きが怪しくなってきたということは前回記事にしました。4月からの診療報酬改定では後期高齢者制度導入や看護師10:1見直しなど医療機関も計算するべきこと多くなり大変でしょう。もちろん、計算すべきことに医師人件費も含まれていることは言うまでもありません。

フリーランス医師とはある特定の医療機関に所属することなしに、非常勤契約を複数することで収入を得ている医師のことです。そこには当然、勤務先ポートフォリオが存在するわけですが、それぞれの勤務先のリスクとリターンはどうなっているのでしょう。
・健診業務
・病院一般外来
・クリニック一般外来
・病院専門外来
・クリニック専門外来
他にも分類の仕方はたくさんありそうですが、簡便にします。今回の対象はすべて非常勤です。

昨今ダンピングがすすむ健診業務。これは言わば誰でもできる業務であり単純に勤務時間をお金に換えているだけです。空いた時間に主婦のパート感覚で入れるか、季節モノなので短期集中的に勤務するか、あるいは健診センターのようなものは定期非常勤という勤務形態になるのでしょう。
いずれにしても誰でもできるのでニーズも多く、相対的に報酬下落傾向にある業務です。

一般外来に関しては内科でも外科でもいいのですが、基本的に初期診療をします。実はこれは非常に能力を問われる業務であると思われます。風邪なんかが多いわけですが、中には精査を要する症状も多く含まれます。症候学あるいは鑑別診断学に精通している必要があります。でもそんなことを考えている人は少なく、何となく行われている業務形態です。病院にしてもクリニックにしてもそれなりに供給の多い業務でありますが、ほぼ誰でもできるので比較的単価が安い傾向があるようです。

専門外来はある特定の領域を専門に診るための外来です。脳神経・耳鼻咽喉・皮膚・眼・循環器・呼吸器・消化器・糖尿病・内分泌・アレルギー・泌尿器・産婦人・小児など、まぁやたらと細分化されているのが現代医療の特徴です。専門外来のニーズは必然的に有病率の多い疾患群を診る科目が多くなるということになります。高齢化に伴い脳血管疾患、心血管疾患、悪性腫瘍が多くなるわけですが、悪性腫瘍は外来治療のみというわけにいかないことが多いので多くは病院管理で、ベッドフリーのフリーランス医師がみることは少ないでしょう。脳血管疾患は急性期は入院するので脳梗塞後の患者さんが多くなります。しかし日本では何故かstroke(特にinfarction)は誰でも診る風潮があります。この中で心血管疾患については最も専門性が高く見積もられることが多いのかもしれません。殊に不整脈を苦手とする医師は内科医にも多く、心房細動ひとつとっても治療内容は厳しいものがあります。
医師不足の中心にあるとされる産婦人科・小児科はニーズは多いでしょうが、フリーランスでやっている医師は少ないでしょう。内分泌科や泌尿器科はそもそもニーズが少ないでしょう。
何が言いたいのか、つまりリスクは有病率の高い疾患群を診る科目で低い傾向にあり、しかし現状では専門性が高いほどリターンが大きいかというとそうでもないという傾向にありそうです(特殊技能など付加価値を見出されれば高額契約可)。これらのことはデータに基づいたものではなくあくまで主観的です。そう、ほぼ全てが主観的です。
ここでいうリスクとは訴訟リスクではなく、フリーランス特有の首切られリスクです。

何だか話がパッとしません。
AM4時だからでしょう。カラスが鳴いています。

いったん仕切りなおします。

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